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【本の感想・レビュー】積読こそが完全な読書術である|シオミさん

こんにちは!


ファシリテーターのシオミです。


今回は「積読こそが完全な読書術である」を読みましたので、その感想とレビューを書きました。


目次


  1. 本の概要

  2. 選書理由

  3. 本から得た学び・気づき

  4. 本の内容を今後、どう活かしたいか

  5. おすすめしたい人とその理由


1.本の概要


積読は本だけにあらず。現代に生きる私たちは、ネット記事や動画、ポッドキャスト、メールなど、「いつか見よう」「後で読もう」と思った情報を大量に抱えています。本書は、そうした情報群を単なる未処理タスクとしてではなく、一つのエコシステムとして捉え、循環させるための自分なりの情報ビオトープを形成することの重要性を説いたものです。さらに、その考え方を起点として、ファスト思考とスロー思考の関係など、情報過多の時代における情報との向き合い方を幅広く考察しています。


2.選書理由


この本はまずタイトルがキャッチーで目に留まりました。まぁそんな感じなので、最初は正直イロモノかなと半分ネタみたいな感覚で気になっていました。


ただ、実際は情報溢れる現代において、どうそれらを処理するかといった観点で丁寧に書かれている本でした。


自分自身も未読本や未処理の情報がどんどん増えていることに悩んでいます。本だけじゃなくて、ネット記事や動画、ポッドキャスト、メールなんかも「後で見よう」と思ったまま溜まっていて、気づけば全部が積読状態になっています。そんな状況だったので、この本が積読をどう捉えてどう活用しようと主張していくのか気になり読み進めました。


3.本から得た学び・気づき


この本では自分だけの情報のビオトープを作るという考えを提唱しています。


ビオトープ本来の用語は人工的でミニマムな生態系を指します。本書では、情報があふれる時代だからこそ、無批判に情報の波にのまれるのでなく、コントロールし循環させていくための情報環境を整えることを「ビオトープを作る」と言い換えています。


そしてその情報のビオトープの形成の考え方は、本だけでなく、ネット記事や動画、ポッドキャスト、メールなども含めた情報環境全体に当てはまるように思いました。


また、本書ではファスト思考とスロー思考についても触れられています。現代は常に素早い判断や情報処理を求められますが、それだけでは情報を消費する側に回るだけです。自分で考えたり、情報を咀嚼したり、新しいものを作ったりするためには、時間をかけて考えるスロー思考も必要になります。情報のビオトープ環境の整備はスロー思考を維持するための訓練にもなるのだと感じました。


最も興味深かったのは、この本が2020年に出版されていることです。生成AIが普及する直前に書かれた本ということですね。当時の問題意識は「情報が多すぎること」にありました。しかし今は、AIによって情報そのものではなく要約だけを読む機会も増えています。本書が警戒していたファスト思考一辺倒は、当時よりさらに加速しているようにも感じますね。


AIは非常に便利ですし、AIに判断や整理を任せることが合理的な場面も多くあります。ただ、その判断過程はブラックボックスになりやすく、自分が何を根拠に結論へたどり着いたのかが見えにくくなる側面もあります。私は日常的なツールが、従来の「入力すればルールに従って結果が返る仕組み」から、使い手(情報の入力者)も完全には理解しきれないAIという仕組みに置き換わっていることに少しまだ抵抗を感じています。単に「AIが言っているから」という意思決定は究極のファスト思考とも言えますね。


だからこそ、将来的にじっくり考える力が求められたとき、それをスロー思考として実践できる人は意外と少なくなっているかもしれません。ビオトープのエコシステムを形成したり運用したりといった行為でスロー思考の回路を維持しておくことには、これからますます価値が出てくるのではないかと思いました。


4.本の内容を今後、どう活かしたいか


この本を読んで、まずは積読に対する罪悪感を減らしていきたいと思いました。


これまでは「買った本は全部読まなければならない」と考えがちでしたが、必ずしもそうではないのかもしれません。本書でも「本はそもそも情報を綴じて保管する機能を持ったもの。保管されることに意味がある」なんて意図の記述もありましたし。


また、本によっては素早く全体像をつかむ読み方もあれば、時間をかけてじっくり向き合う読み方もあります。そうした強弱を意識することで、早く読む本では要点を押さえやすくなり、逆にじっくり読む本では深く考える余裕も生まれるように感じました。


本だけでなく、ネット記事や動画、ポッドキャストなども含めて、自分なりの情報環境を整備していきたいと思います。ただ情報を集めるだけではビオトープは完成せず、その情報と向き合うための環境も必要だと感じました。


例えば映画館や美術館のように、一つの対象に集中できる時間を意識的に作ることも大切なのではないでしょうか。情報を集める仕組みと、それをゆっくり消化する仕組みの両方があって初めて、自分なりの情報ビオトープが成り立つのだと思います。


そして何より、スロー思考を大切にしたいと思いました。効率よく情報を集めたり要約を読んだりすることは便利ですが、それだけでは得られない気づきもあります。すぐに答えを求めるのではなく、ときには時間をかけて考える。その習慣をこれからも意識的に残していきたいです。


5.おすすめしたい人とその理由


この本は、積読に罪悪感を抱いている人や、情報が多すぎて疲れている人におすすめしたいです。また、読書がいつの間にか義務になってしまった人や、AIやSNSによる情報過多を感じている人にも刺さる内容だと思います。


その理由は、この本が「全部読まなくていい」という考え方を与えてくれるからです。ただし、それは単なる読書の手抜きを肯定する話ではありません。むしろ読書そのものよりも、「人は情報とどう付き合うべきか」という問いについて考えさせられる本でした。


また、本書では古今東西のさまざまな人物の情報収集や意思決定の事例が紹介されています。単に方法論だけでなく、その時代背景や本人の性格・立場なども含めて語られているため、「こういう情報との向き合い方もあるのか」と参考になる場面が多くありました。


読後の率直な感想としては、タイトルから想像していたよりずっと真面目な本でした。「積読を肯定する本」というよりは、「情報との付き合い方を考える本」と言った方が近いかもしれません。


そして、生成AIが当たり前になった今だからこそ、むしろ出版当時よりも示唆が大きくなっているように感じました。情報を効率よく処理する手段が増えた一方で、自分でじっくり考える機会は減っています。そんな時代だからこそ、「過多な情報に要請されるがままファスト思考一辺倒にならないために、自分だけのビオトープを作る」という本書のメッセージが強く印象に残りました。


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