【サークル活動報告】美術鑑賞サークル: 第29回美術鑑賞イベント(11/9)
- tss 東京自習会
- 2 日前
- 読了時間: 6分
皆様、こんにちは!
美術鑑賞サークルのちーです。
東京自習会、美術鑑賞サークルにて、11/9(日)に日本橋の三井記念美術館で開催された「開館20周年特別展 円山応挙―革新者から巨匠へ」展を鑑賞に行きました!
目次
サークルの概要
イベントの様子
感想
今後の活動予定
参加はこちら!
1.サークルの概要
月に一回程度、皆で都内の美術館の企画展を見に行くサークルです。
西洋絵画の展覧会が多めですが、日本美術、現代アート、映画鑑賞、まち歩きなどの活動もたまに行っています。
鑑賞後は、気に入った作品を発表したり、希望者でカフェで歓談を行っています。
普段美術館にはあまり行かないという方も多くいらっしゃいますので、勉強の息抜きにお気軽にご参加ください。
またサークル登録がないコミュニティーメンバー以上の方のご参加もいつでも大歓迎です!
2.イベントの様子
今回は5人で、日本橋の三井記念美術館で開催された「開館20周年特別展 円山応挙―革新者から巨匠へ」を鑑賞に行きました。
円山応挙(1773-1795)は江戸時代に京都で活躍した絵師です。
農家の生まれながら、宮廷や豪商である三井家から注文を受けて絢爛豪華な襖絵や屏風絵を残しました。
当時としては特徴的な写実性に富んだ描写で動植物を描き、同時代の伊藤若冲との共作も残しました。
会場では一部撮影可能な作品もあり、円山応挙の若い頃から円熟期の作品まで様々な作品を楽しむことができました。
3.感想

まずは、今回の展示ポスターにもなっている「遊虎図襖(16面の内)」(1787、金刀比羅宮)
三井家の出資により、香川県の金刀比羅宮の襖に描かれたものです。
こちらの隣に円山応挙が実際に虎の毛皮を見て写生を行った「虎皮写生図屏風」(18世紀、本間美術館)が展示されており、実物の毛皮に触れた経験が、襖に墨で描かれた虎のふわふわとした毛の表現に活かされていることがよくわかります。


虎の毛皮はじっくり観察したとは言え、実際の虎は見たことがなかったはずの応挙が描いた虎たちは、猫に似ていて何だかとてもユーモラスです。

中には眠るヒョウの姿もあり、当時は虎のメスがヒョウだと思われていたそうです。
虎と言えば、百獣の王や縁起の良い守護神のようなイメージですが、こんなに可愛い虎の襖に囲まれたらつい癒されてしまいますね。

続いては、冒頭に展示されていた「元旦図」(18世紀、個人蔵)。
正装の裃に身を包んだ人物が、山のふもとから昇る初日の出を見つめる様子を描いた作品です。
印象的なのは、初日の出に照らされた裃の人物の後ろ姿に伸びる長い影です。
作品のメインであってもおかしくない初日の出の光は控えめに表現され、光を前に佇む男性の姿がクローズアップされた作品となっています。
応挙が自身の姿を描いたものだという説もあるそうで、確かにそう思ってしまうほど背中で語る姿が印象的な作品です。
何を思って応挙はこの作品を描いたのか想像をかき立てられると同時に、こんなにもサラリと印象的な作品を描いてしまう応挙のセンスの良さに脱帽といった作品でした。

3点目は最後の展示室に並べられていた子犬たちの作品です。

「雪中狗子図」(1784、個人蔵)の掛け軸から見つける子犬の瞳があまりに可愛くて、猫派なはずの私が一瞬で心を射抜かれてしまいました笑
コロコロ丸々とした子犬たちの姿がとても愛らしい掛け軸です。冬だけと言わず、一年中飾っておきたい作品です。

同じく子犬たちを描いた「雪柳狗子図」(1778、個人蔵)も続けて展示されており、雪の上で元気に戯れる丸々とした子犬たちがとても愛くるしく感じられます。
応挙は子犬たちが大好きだったのだろうなと思わずにはいられず、江戸時代の愛犬家たちに大ヒットしたであろう作品を現代の私たちも同じ気持ちで鑑賞できることに何だか嬉しさを感じました。

最後は参加者の皆様の感想から、伊藤若冲の「竹鶏図屏風」(1790以前、個人蔵)(左隻)と、応挙の「梅鯉図屏風」(1787、個人蔵)(右隻)を取り上げます。
二曲一双の金屏風として、ワンセットで注文されたとみられ、対照的な2人の個性がより一層際立つものとなっています。
やはりどうしても目を引いてしまうのは、伊藤若冲の鶏たちです。
「一体どういうポーズ?」と思うほど激しい動きの鶏たちに圧倒されてしまいます。
感想を語り合った際に、「実はひよこがいるよ!」と教えてくださった方がいて、皆でどこどこ、と探しました。
親鳥たちの躍動感と派手さに目が入ってしまいますが、小さく可愛らしいひよこも、ちょこんと描かれています。
伊藤若冲の屏風が派手過ぎて、どうしても応挙の方は画題も鯉だし地味な印象を受けてしまいますが、こちらもなかなか良い味の作品だとは思いました。
鯉の動きに合わせて静かに揺れる水面が表現され、伊藤若冲の激しい動きとは対照的に、こちらは穏やかさや静寂を感じる作品となっています。
鯉の伸びやかな動きや、梅の枝のリズミカルな描写には、応挙の技術力の高さが一目で感じられ、対作品として意外とピッタリ息があっているようにも思いました。
最後に

鑑賞後は、参加者全員でお昼ご飯に行きました!
近くのオフィス地下街の居酒屋で和食ランチを食べながら、今回の感想やこれから見てみたい展示などの話もしました。
日本美術の鑑賞は久しぶりだったので、参加者が集まるか心配だったのですが、次回からイベントの開催を引き継いでくださるhoshinoさんはじめ参加者の皆様が盛り上げてくださっているのがとても有難いです。
今回、三井記念美術館に来たのは学生時代振り以来で、日本美術の知識が少ない私には、どう鑑賞して感想を書けばよいのかなと少し心配でした。
ですが、センスが良く写実性に富んだ円山応挙の作品は、現代の我々にも意外と親しみやすく、ここで取り上げられなかった作品にもその美しさに感動したものが多くあり、日本の美というものを感じることができました。
私、ちーがブログを執筆するのは今度こそ最後となる予定ですが、自習会の美術鑑賞サークルはこれからも続きますので、是非よろしくお願い致します!
参加者の方にバトンタッチ写真を撮って頂きました。ありがとうございました!


4.今後の活動予定
今後の活動予定は下記を予定しております。
12/6 国立西洋美術館 オルセー美術館所蔵 印象派展
1月開催予定
※変更になる可能性があります。
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