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【サークル活動報告】美術鑑賞サークル:第39回「よみがえる浮世絵スピリット─明治の開化絵から新版画まで─」@東京富士美術館(5/31)

  • 執筆者の写真: tss 東京自習会
    tss 東京自習会
  • 6月2日
  • 読了時間: 5分

こんにちは!


美術鑑賞サークル主催のhoshinoです!


東京自習会の美術鑑賞サークル、今回は、東京富士美術館で開催中の「よみがえる浮世絵スピリット─明治の開化絵から新版画まで─」へ行ってきました。


目次


  1. サークルの概要

  2. イベントの様子

  3. 感想

  4. 今後の活動予定

  5. 参加はこちら!


1.サークルの概要


月に一回程度、皆で都内の美術館の企画展を見に行くサークルです。


西洋絵画の展覧会が多めですが、日本美術、現代アート、映画鑑賞、まち歩きなどの活動もたまに行っています。


鑑賞後は、気に入った作品を発表したり、希望者でカフェで歓談を行っています。

普段美術館にはあまり行かないという方も多くいらっしゃいますので、勉強の息抜きにお気軽にご参加ください。


またサークル登録がないコミュニティーメンバー以上の方のご参加もいつでも大歓迎です!


2.イベントの様子


今回は八王子市にある東京富士美術館へ行き、5名で鑑賞会を行いました。東京富士美術館はルネサンス期から現代アートまで幅広いコレクションを所蔵しています。内容の充実度に比べると知名度はそれほど高くなく、このサークルでぜひご案内したい美術館のひとつでした。


最寄りに電車の駅がないため、バスか車でのアクセスになります。

普段一人で行くときは、バイクツーリングの目的地として東京富士美術館と道の駅、八王子滝山をセットでまわります。道の駅は観光地気分が盛り上がるので、次回はこのプランでも開催してみたいと思います。


・美術展のご紹介


「よみがえる浮世絵スピリット ─明治の開化絵から新版画まで─」とは何かというと、江戸時代のモノというイメージの強い浮世絵を、明治以降の作品を中心に紹介していくという企画展です。


葛飾北斎《冨嶽三十六景 凱風快晴》1830頃。ザ・浮世絵
葛飾北斎《冨嶽三十六景 凱風快晴》1830頃。ザ・浮世絵

浮世絵は江戸時代とともに終わったと、フェノロサにも言われておりましたが、その技術は絶やされることなく近代以降にも受け継がれていました。


絵師・彫師・摺師、そして版元といった職人たちによる熟練の分業体制は、新たな大量印刷技術の登場によって、報道メディアとしての役割を譲ることになります。いわばメディアの主役交代です。


その後、この多色摺木版画は挿絵の分野などに活路を見出します。そして大正期には、版元・渡邊庄三郎が伝統的な分業体制と高度な木版技術を活かしながら、その復興と革新に取り組み、「新版画」を世に送り出します。


寺崎広業《 美人の海水浴》(『文芸倶楽部』9巻10号口絵)1903。美人画に当時の水着の組み合わせ。この異質感、いいですね。
寺崎広業《 美人の海水浴》(『文芸倶楽部』9巻10号口絵)1903。美人画に当時の水着の組み合わせ。この異質感、いいですね。

江戸時代の浮世絵が国内市場を対象としていたのに対し、庄三郎は当初から海外展開を強く意識していました。外国人画家を積極的に起用し、日本の伝統的な木版技術と西洋的な感覚を結びつけることで、新たな市場を切り拓こうとしたのです。


フリッツ・カペラリ《濠端の松》1915。雲のかたちや、シンプルな配色によるフラットな構成がかわいい
フリッツ・カペラリ《濠端の松》1915。雲のかたちや、シンプルな配色によるフラットな構成がかわいい

「オワコン扱い」「技術革新による主役交代」からの「海外展開を見据えた事業転換と復活」。


現代の企業やコンテンツ産業にも通じるような変遷が、100年以上前の浮世絵の世界でも起きていたのですね。


3.感想


以下は感想会でいただいた、好きな作品へのご意見です。


・歌川広重《名所江戸百景 浅草金龍山》


歌川広重《名所江戸百景 浅草金龍山》1856
歌川広重《名所江戸百景 浅草金龍山》1856

「今と似ているけどやはり違う浅草。風景や当時の人たちの姿に現代との連続性を感じつつ、古典的な味わいがある」

「雪景色によって、庶民文化の中心地であった浅草がシンプルできれいな絵としてまとまっている」


・笠松紫浪《東京タワー》


笠松紫浪《東京タワー》1959
笠松紫浪《東京タワー》1959

「現代の風景を浮世絵に落とし込む面白さ」

「ずっと時代順に絵を見てきて、展示の最後に飾ってあったのが効いている」


まわりに高層ビルがないので、ギリ浮世絵感が漂います。東京タワーの持つ不思議な時代感覚のなさが、モチーフとしてうまく合致しているのではないでしょうか。


江戸時代には富士山が何度も浮世絵に描かれましたが、その延長線上にあるような、ランドマークとしての普遍性を感じさせます。


・吉田博《瀬戸内海集 光る海》


吉田博《瀬戸内海集 光る海》1926
吉田博《瀬戸内海集 光る海》1926

「江戸時代の浮世絵にもこういう絵はあるけど、帆船の立体的な描き方や光の表現に西洋絵画の影響が入っている。和洋のハイブリッド」


・楊洲周延《千代田之大奥 おたち退》


楊洲周延《千代田之大奥 おたち退》1896
楊洲周延《千代田之大奥 おたち退》1896

「浮世絵の美人画は華やかな色彩の作品が多いけれど、これはモノトーンを基調にして、赤の差し色で構成されたシャープな印象の絵になっている」


連作《千代田之大奥》の一図です。


背景に火の手が上がり、女中たちが薙刀を構える緊迫した場面が描かれています。「一番好き」が2票入りました。とてもカッコいい絵です。


このように、江戸時代を代表する狩野派や琳派が「古典」となったのに対して、浮世絵は近代以降も形を変えながら生き続けました。


狩野派や琳派は近代日本画や工芸などの別の分野へ溶け込み、浮世絵だけが『浮世絵の子孫だと分かる形』で残った、ともいえますね。


浮世絵は絵画様式であると同時に、木版技術という産業システムだったからかもしれません。


報道メディアとしての役割を失いながらも、新版画という新たな表現へと発展していく過程は、まさに「よみがえる浮世絵スピリット」という展覧会タイトルにふさわしいものだったと思います。


ご参加ありがとうございました。第一執政ボナパルトの肖像とともに。
ご参加ありがとうございました。第一執政ボナパルトの肖像とともに。


4.今後の活動予定


今後の活動予定は下記を予定しております。


  • 6月 原美術展 ARC「虹のつくり方」


※変更になる可能性があります。


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開催予定のイベントを確認されたい方は、下記のリンク先からご確認下さい。


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