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【本の感想・レビュー】資本主義と、生きていく|JINさん

こんにちは!


ファシリテーターのJINです。


今回は「資本主義と、生きていく」を読みましたので、その感想とレビューを書きました。


目次


  1. 本の概要

  2. 選書理由

  3. 印象的な部分や場面

  4. 学んだことや気づき

  5. 感想・評価


1.本の概要


今回読んだのは、「資本主義社会の中で私たちが感じる生きづらさやしんどさの正体」を、歴史と思想の流れから読み解いていく一冊です。本書は、日々なんとなく感じている「疲れる」「休まらない」「ずっと何かに追われている」という感覚が、単なる気のせいや個人の性格の問題ではなく、資本主義の構造と深く結びついていることを丁寧に説明してくれます。


本書の構成は以下の通りです:


第1部 追手


時間:なぜいつも時間に追われているのか

成長:なぜ休日も心が休まらないのか

数字:なぜ「数字の支配」から逃れられないのか

労働:なぜ働くことは辛いのか

お金:なぜ人を年収で評価してしまうのか

消費:なぜ「つい買ってしまう」のか


第2部 構造


「6人の追手」と資本主義の関係

分業:得意を活かせば世界はよくなる

市場:自由な市場がこじ開ける人間の欲望

商品:お金が世界の頂点に君臨する理由

資本:労働者の生き血をすするのは誰か

イノベーション:資本主義はラットレースのように

金融:「カネがカネを呼ぶ世界」は幸せか?

欲望拡張原理:資本主義の原動力


第3部 距離感


資本主義との適切な距離感

「追手」との距離感を調整する

時間はかかるが、変えられる


時間、お金、労働、消費など、どれも自分の日常にかなり近いテーマなので読みやすかったです。一方で、中身はかなり本格的で、アダム・スミス、マルクス、シュンペーター、ボードリヤールなどの思想を引きながら説明していくので、「やさしい社会思想の本」という感じもありました。注釈もかなりしっかりしていて、ちゃんと考えて書かれている本だなという印象でした。


2.選書理由


この本を読んでみようと思ったきっかけは、普段からうっすら感じていた「なんでこんなにいつも追われている感じがするんだろう?」という違和感でした。


別にものすごく不幸というわけではないし、昔に比べれば生活は便利になっているはずなのに、気持ちは全然ラクにならない。むしろ、時間がない、やることが終わらない、成長しないと置いていかれそう、数字で評価される、SNSを見ると無駄に焦る、と感じていました。そのしんどさを、これまで自分の要領の悪さとか性格の問題として処理しがちだったのですが、本書のタイトルを見たときに「これはもしかして個人の問題じゃなくて構造の話なのかもしれない」と思って手に取りました。


また、「資本主義がしんどい」と言うと、なんとなく大きすぎる話とか、思想が強めの話に見えがちですが、この本はそういう感じではなくて、今ここを生きている私たちの感覚にかなり近いところから話を始めてくれそうだなと思ったのも理由です。


資本主義を全否定するでもなく、かといって「努力すれば全部解決する」とも言わない。その間で、じゃあどう付き合っていくのかを考える本っぽくて、そこに惹かれました。


3.印象的な部分や場面


一番印象に残ったのは、資本主義では社会が成長し続けるために、ただ商品を作るだけでは足りず、「需要そのものを作らなければいけない」という話です。人が本当に必要なものだけを買っていたら、いずれ市場は満たされてしまいます。


そうならないように、企業は「これが欲しい」「これがないと不安」「これがあればもっと良く見える」と消費者に思わせる必要がある。そのために広告やSNS、ブランドイメージなどを使って、買いたくなる気持ちを作っていくという流れがとても印象的でした。


今まではマーケティングを、単に商品を上手に伝える方法くらいに思っていましたが、本書を読むともっと深い話だと感じました。すでにある需要に応えるだけでなく、新しい欲しさそのものを作り出していく。そうやって資本主義は回り続けるのだと知って、普段自分が「欲しい」と思っているものも、本当に自分の欲求なのか少し疑ってみたくなりました。消費の見え方がかなり変わった章でした。


4.学んだことや気付き


もう一つ面白かったのは、労働力を「買う」という考え方です。労働者の賃金は、基本的にはその人が生活していくために必要なお金をもとに考えられています。一方で、その労働者が実際の仕事で生み出す価値は、それを上回ることがあります。むしろ上回らないと、経営者にとって雇う意味がない。この仕組みがあるからこそ、会社は利益を出せるのだという説明は、とてもわかりやすかったです。


この話を読んでから、労働に対する見方が少し変わりました。今までは、働いて給料をもらうのは当たり前の関係だと思っていましたが、資本主義の中では、私たちの労働力は「利益を生み出すために買われている」とも言えるのだと気づきました。少し冷たい見方にも感じますが、だからこそ「もっと成果を」「もっと効率よく」と求められる理由も見えてきます。我々は経営者にとって、より大きな利益を生み出すための存在として使われている、という感覚を持てたのは大きな気づきでした。


5.感想・評価


読む前は少し難しそうな本だと思っていましたが、実際に読んでみるとかなり読みやすかったです。歴史や思想の話も出てきますが、今の自分たちの生活とつなげて書かれているので、無理なく読むことができました。


よかったのは、「資本主義は悪い」と決めつけるのではなく、便利さや豊かさを生んできた面もちゃんと認めているところです。そのうえで、私たちを苦しめる部分もあるから、全部を否定するのでもなく、飲み込まれすぎない距離感が大事だと書かれていました。この考え方はとても現実的で、納得しやすかったです。


読んだからといってすぐに悩みが消えるわけではないですが、「この苦しさには名前がある」と思えるだけでもかなり違うと思いました。最近ずっと疲れているけど、何がしんどいのかうまく言えない人に合う本だと思います。


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